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日本糖尿病療養指導士認定試験状況と今後 (抜粋)
第7回日本糖尿病教育・看護学会学術集会 イブニングセミナー
2002年10月6日 名古屋国際会議場レセプションホール
斎藤 宣彦 聖マリアンナ医科大学 内科学教授
○自験症例記録の審査のポイント
自験症例の記録の審査ポイントは、まず、あなたが指導したことにより、その患者さんかどう変わられたかという点です。「HbA1cが8から7になりました」と記載されていても、記録をよく読んでみると、その間に医師が薬を処方したり、インスリン治療が開始されていたりしています。これでは「あなたの指導によって」と言い切れるかどうかは難しく、うっかりすると薬剤の宣伝になりかねません。また、チーム医療の一員としてどのように活躍したかについてのレポートも提出していただきます。 レポートの評価は難しいもので、一般論として採点者によって評価が異なり、0.4〜0.6程度の相関係数でしかないといわれています。手書きならきれいな字のほうが得ですし、誤字、脱字があればどうしても点数が低くなるというように、レポートの評価は客観的にはいきません。こうした問題を解消するために、自験症例記録の評価では、こういうことが書かれていたらこう評価するということを事前に約束した評価マニュアルを定めておき、それをもとに審査委員がレポートの評価をしています。受験者1人につき提出するレポートは10枚あり、受験者が5,000人ならレポートは5万枚になります。 最初の年は2人でレポートの採点を行うダブルチェックとしましたが、2年目からは受験者が減ったので、3人の審査委員が目を通すトリプルチェックとしました。そのくらいしっかりと見て、レーティングスケールでA,B,C,D評価を付けています。 ○客観試験の審査のポイント さらに、客観試験にも合格しなければいけません。客観試験は2001年3月に第1回、2002年3月に第2回が行われ、2003年3月に第3回が予定されています。客観試験は150問出題されます。問題は五肢択一で、正解率20%以下の問題は排除し、採点対象外にしました。五肢択一の場合、えんぴつを転がしたとしても確率的に正解率は20%になるからです。また、識別指数0.15以下の問題も排除しました。識別指数とは、たとえば受験者が1,000人いる場合、成績がよかった250人が間違えた問題は問題として本当に適正だったのか、成績が悪かった250人が正解した問題は本当に適正な問題だったのかを示す指標で、この数字が小さい問題は識別能力が低い問題といえるのです。 ○客観試験の出題範囲・合格基準 客観試験には、どの範囲から何題くらい出題されるかという目安であるブループリント(下記)があります。第1回と第2回の試験ではガイドブックの内容の小改訂もありましたが、出題はほぼこれに準じています。客観試験では、受験ガイドブックをもとに、一般問題130問と長文問題20問を出題しました。試験委員の中には、試験問題の作成にあまり携わられたことがない先生方もいらっしゃいましたので、まず問題作成マニュアルを作成し、それをもとに出題数の倍の問題をつくっていただきました。しかし、つくっただけでは、果たして本当によい問題がどうかわかりません。そこで、試験委員を3グループに分け、それぞれの委員が全部の試験問題を見られないようなセキュリティーを確保した上で、全問題をレビューして、問題の選択、添削などをしていただきました。 何点以上からを合格にするかという合格基準の問題もありました。「60点以上が合格」というような基準は、根拠が薄弱です。そこで認定委員と試験委員全員が、修正イーベル法という算出方法によって合格基準を決めました。 ○客観試験のブループリント
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